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「スピード感のある文章で小気味よかった」と賞賛された作品 |
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今回の受賞作品、小説『弥勒が天から降りてきた日』、読ませていただきました。高校生の主人公と、周りを取り巻く家族や教師、友だちやその家族の、それぞれの考えや行動が、想像の世界で広がりました。読者対象はどのくらいの年齢で考えられたのですか? |
| 松村 青春小説ですが読者の年代はあまり意識しないで書きました。どの人にも学生時代、青春時代はあります。ですから設定した小説の風景は誰にでもすぐ想像できるものだと思うのです。 |
| 確かにそうです。特にこの小説は「うっかり読みきった」というのはおかしい表現かもしれませんが、途中で気が抜けない感じでいっきに読んでしまいましたよ。 |
| 松村 選考していただいた田辺聖子さんからも「スピード感のある文章で小気味よかった」などの言葉をいただきました。 |
| このような内容はスラスラと出てくるものなのですか。 |
| 松村 スラスラと書いたものは少ないですね。私は特に気の向いた時間に書いています。空いた時間にと言ったほうがいいかもしれませんね。ですから途中で止まってしまうこともあるのです。実際、あらすじ的なことを考えてから執筆に入りますが、長編になるとだんだん考えていた事から逸れていく事もあります(笑)。 |
| しかし柔軟に内容を変えていくのも創作活動には重要なポイントではないでしょうか。どんなことでもやっているうちに新しいアイデアが浮かんできて、そちらの方が良ければこだわらずに良い方向に進むという柔軟な姿勢や考えは必要だと思います。 |
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結末がわかる作品はおもしろくない |
| 松村 はい本当にそうです。私の作品を読んでくれる友人がいるのですが、その友人がまた厳しい批評家でして、書き始めたころに言われた事があります。「着地先がよめる(わかる)作品はおもしろくない。着地点は決めない方が良い」というのです。 |
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| 趣味で書く自分の作品ではなく、読み手を意識した、読み手を楽しませるものが小説だということですね。 |
| 松村 小説はエッセイであってはいけないのです。作家の意見を直接ぶつけるものではないということです。 |
| 主人公が作家自身であってはいけないということですか。 |
| 松村 主人公だけに語らせるのではなく、登場人物全員に語らせないといけないのです。 |
| それぞれの立場で、それぞれの考えがある、正しいと思う結論を出すのは読者だということですか。 |
| 松村 そうです。正しいか正しくないかは読者によって変わってくるものだと思うのです。 |
| ではそのテーマやアイデアはどんな時に浮かんでくるものなのですか。 |
| 松村 生活の中で気になったことはメモしています。友人からの刺激もありますね。そのメモの中からあっちとこっちをひっつけて考えていくという感じで生まれてくるのです。私の場合は、結構、ボヤーとしている時に浮かんでくるものです。 |