Vol.34  

順慶まつり準備委員会会長・筒井順慶顕彰会副会長
藤本 賢司さん
漫画で発行
『筒井順慶の生涯』

 戦国時代に大和で活躍した武将・筒井順慶をご存知だろうか。近鉄筒井駅の東、ちょうど国道25号線より北側に、筒井城があったと推定されているが、その筒井で、地元のヒーローを知ってもらいたいと活動している人たちがいる。順慶まつり準備委員会会長であり、筒井順慶顕彰会副会長でもある藤本 賢司さんにお話をうかがった。

〈聞き手〉編集長 上田さとる


漫画になった筒井順慶
 筒井順慶の漫画を作られたそうですね。
藤本 はい。『筒井順慶の生涯』という漫画です。
 筒井順慶について少しお話いただけますか
藤本 順慶は筒井にあった筒井城の城主、のちの大和郡山城主です。1549年に生まれ、父の死によってわずか2歳で家督を継いだ人です
 『洞ヶ峠をきめこむ』という話は有名ですね。
藤本 そうです。明智につくかどうか、有利な方につこうとして、日和見をしたと故事にも書かれているのですが、実際は洞ヶ峠(京都府八幡と大阪府枚方の境にある峠)には出陣していないのです。郡山城で善後策を協議していて秀吉側への加担が遅れたと言います。
 そうなんですか。歴史で習ったことでは、どうも良い表現がされていない人でしたので、大和の人間としてはいい気分ではなかったのですが(笑)。
教養のある武将だった順慶
藤本 信長が打たれたという知らせを聞いた秀吉の中国地方からの引き返しが、常識を超えた早さだったのと、順慶がこの大和を守ることを優先し、簡単に感情にまかせて行動しなかったことが、遅れた原因のようです。でも順慶は謡曲や茶の道にも堪能で、とても教養のある武将だったと伝わっています。そんな事実を知らない人が多いので、なんとか、地元の人たちからでも、順慶の本当の物語を知ってもらいたいと思ったのです。
 それで、藤本さんたちが立ち上がったのですね。この本『筒井順慶の生涯』は漫画だけの構成ではないですね。
藤本 はい、漫画と、文章や写真資料などをいれた読み物形式のページとを組み合わせて作りました。
 子ども向けではなく、大人の方たちにも楽しめるものですね。
藤本 最初は漫画から入ってもらって、詳しくは文章でという感じです。戦国時代の歴史で学ぶ有名な人物がほとんど出ていますし、実際当時の興福寺の僧侶であった人物を案内役として、登場させていますので、解りやすく、とてもおもしろいものが出来たと思っています。
毎年9月に順慶まつり
 順慶まつり準備委員会会長であり、筒井順慶顕彰会副会長でいらっしゃいますが、この会の発足はいつですか。
藤本 平成11年です。筒井にある全自治会が中心で、たちあげました。
 まちおこしという目的ですか。
藤本 それもあります。地元の結束を持つためのイベントとして、順慶まつりなども開催しています。しかし、だんだん、本当の順慶を、なによりも地元の人、奈良の人、そして、全国の人に知ってもらいたいと思うようになってきました。
 藤本さんは地元にも、筒井順慶にも愛着を感じていらっしゃるのですね。
藤本 そうですね。ここには約20年ほど前に引っ越してきたんです。それこそ、100年以上続く家もあれば、新築のマンションに引っ越してきた人もいる自治会です。でも祭りやイベントはみなさんが楽しんで、ひとつになって開催してくれています。9月14日に順慶まつりを開催しているのですが、その時、100人の時代行列をするんです。地元外からも参加してくれていますよ。
 100人の時代行列をするのは企画運営が大変だったのではないですか。
藤本 自前のものがないので貸衣装も100人分です。
地元パワー全開
 私はいつも感じることなのですが、まちおこしや、街のイベントを仕掛ける人、運営する人は、自分のことをさておいても、その事業を成功させなければいけない状態になるでしょう。本当に大変であり、頭がさがります。
藤本 だけど、楽しい。成功すればうれしい、これにつきるんです。
 そうですね、自分たちも楽しくなければ、参加してくれた人も楽しめないと思います。一人が旗をあげて、そこに集う人がいて、そうして、だんだんと人間が増えてくる。やはり、地元の人たちのパワーを結集することが大切になってきますね。
藤本 本当にそうです。地元パワーこそがこれからの街を盛り上げていくのだと思います。
大和の国を思うがあまりに出陣が遅れたという筒井順慶。先見の目を持ち、即座の決断をする必要があるリーダーの覚悟と苦悩はいつの時代も同じものなのかもしれないと感じました。今後の藤本さんたちの活躍に期待しています。

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