![]() |
VOL.33 | |
|
社会福祉法人 万葉荘園 理事長 〈聞き手〉編集長 上田さとる |
||
| 印象深い初代理事長の構想 |
| この施設ができるまでのご苦労を以前にうかがったことがありますが、谷口さんは平成10年から理事長になられたのですよね。 |
| 谷口 はい。この施設とは創設前からの付き合いですから、もう20年以上になります。 |
| 昭和57年に社会福祉法人として活動がはじまったわけですね。 |
| 谷口 初代理事長の吉村嘉治氏に計画段階から相談を受けていたのですが、印象深いのは、計画を話される時に初代理事長が、あそこにこれを建てて、あれを作って、ここにこれが必要でと、福祉ゾーンをつくる構想を敷地内で細かく考えていたことです。 |
| まだ開かれていない土地を見てですか。福祉事業に夢を持って取り組もうと されていたのですね。 |
| 谷口 そうです。でも開設までには、解決しなければいけない問題がたくさんありました。地域の方たちとの話し合いも。 |
| 例えばどのようなことでしたか。 |
| 谷口 この環境を壊すことなく、つまり緑を破壊することのないようにというようなことなどです。 |
| 良いスタッフが結束 |
| 現在の利用者はどのくらいですか。 |
| 谷口 入所者は20歳から70歳代まで58人です。他、通所施設に通って来られている人もいらっしゃいます。スタッフは各分野あわせて総勢36人。良いスタッフに恵まれているので助かっています。やはり何事もスタッフの結束力の大きさにより成功するものだと思うのです。開所当時からのスタッフもいますので、理事長になってからもいろいろ教えてもらっています(笑)。 |
| それは心強いですね。ここに入所されている方たちは知的障がいをお持ちの方たちですが、彼らにとって、谷口さんはみんなのお父さんという感じではないですか。 |
| 谷口 本当にそうです。私より年齢が上の人もいますが、彼らにとって、私はお父さんであり、母であり、兄弟、姉妹なのです。だからこそ、私は彼らを、この施設を守っていかなければいけないといつも強く思っています。彼らを守り、彼らの可能性を伸ばしていくことが使命だと思っているのです。知的障がいを持つ人たちは、世間の人たちより個性が強く、自分の主張が強いのです。正直に自分の思ったことを口に出す人も多いので、ここの人たちに好かれたら一人前だと思います。 |
| 信頼関係が強くないと彼らは心を開かないように思います。だからこそ「好かれたら一人前」ということですね。絵画教室や和太鼓クラブ、スポーツクラブなどのグループ活動も盛んと聞きました、他にはどのような活動をされていますか。 |
| 地域の人たちとの交流 |
| 谷口 ボランティアの方たちにお世話になり、茶道や華道、書道や手芸教室、アートフラワーや織物も教えていただいています。みんな賑やかに楽しく、根気よく取り組んでいますね。地域の方たちとの関わりも大切な時間です。お互いに歩みよる、知り合う機会が必要だと思います。 |
| 他に地域との交流ではどのような活動をされていますか。 |
| 谷口 近くの小学3年生たちと1年に1度ですが交流があります。また清掃活動など、委託を受けて三郷町内で行っています。実は今の、将来の夢のひとつが、ここに住む・通う障がい者たちが作業する、働くことにより収入を得て、喜びを感じるようになれればと思っています。人とのコミュニケーションがむずかしい、どちらかといえば下手な人たちですが、働きたいと思っている人も多いのです。なんとか個性を活かす仕事があればと思っているのです。 |
| グループホームも完成 |
|
| 地域社会の受け入れがまだまだ難しいですが、個性を活かす仕事を見つけるなど、時間をかけて向き合うことが夢の実現につながると信じたいです。 | |
| 谷口 法人施設の役割は「仲間と共に豊かな生活を実感でき、安心して楽しく過ごせるかけがいのない場」だと思います。しかし地域社会の理解や交流も、ここに住む彼らにとっても、地域にとっても必要だと思うのです。障がい者が地域とのつながりを持ちながら、自立に向け歩む拠点としてのグループホームもまもなく完成し ます。みんなで力を合わせがんばっていきます。 |
|
「知的障がいを持つ人たちの社会参加や、自立というテーマは、展開が未知数だからコツコツとやっていくだけ」と谷口さん。地域社会も理解や交流を積極的に積み重ねて行くことが、今後の展開につながるのではないかと感じた。 |
| 人物じゅずつなぎindex |