![]() |
VOL.30 | |
|
作家 〈聞き手〉編集長 上田さとる |
||
| デザイナーから作家へ |
| 明星いっぺいさんとはご本名なのですか。 |
| 明星 そうなんです。いっぺいは漢字で一平と書きます。 |
| いかにも作家さんという感じのお名前でしたから、作家名かと思いました。 |
| 明星 アーティスト・岡本太郎さんのお父さんが一平さんとおっしゃる方で、私の父がその名前にあやかって命名してくれたのです。偉大な作家になれたらという願いで…。 |
| では作家になるべくしてなられたのですね。命名された時に…。作品を創られるようになったのはいつ頃からですか。 |
| 明星 本格的に創るようになったのは、今から9年程前からです。実は作家活動を始める前から、グラフィックのデザイナーをしています。 ― 広告制作などのですか?平面のデザインですよね。何かきっかけがあって、立体のデザインである人形制作をされるようになったのですか。 |
| 広告制作などのですか?平面のデザインですよね。何かきっかけがあって、立体のデザインである人形制作をされるようになったのですか。 |
| 平面から立体へ | ![]() |
| 明星 仕事上、ビジュアルに人形を撮影し、デザイン作業をするものもあり、人形作家や、アーティストとの関わりもたくさんありまして、そうこうしているうちに自分で作ってみようと思ったのです。 | |
| 平面のデザインから立体に…創るという方向では変わりはないようですが、難しくはなかったですか。 |
| 明星 もともと創る事は好きな方でしたので、問題はありませんでしたね。それまでなら他人に、こんなものを創ってくれといっても、なかなかこちらのイメージが伝わらないこともしばしばありましたが、自分で創ることで思い通りのものが出来るのですから、ストレスがなくなりましたね。 |
| 私などはイメージを持っていても、思い通りのものを創ることが出来ませんが(笑)。独学ですか? |
| 明星 はい。オリジナルです。最初は試行錯誤しましたよ。でもそれを繰り返すほどに立体のおもしろさがふくらんで、自分の手の中にパワーさえ感じるようになってきたのです。長い間、平面の仕事をやってきた反動ともいえますが、いつしか立体造形にどっぷりはまっていきました。 |
| 動物たちのユニーク表情や姿は、どんなところからアイデアがわいてくるのでしょうか。 |
| 年月とともに風合いにも変化 |
| 明星 ふとした時に、「こんなんやったらおもしろいやろなぁ」という感じです。よく焼物と思われるのですが、この動物たちは粘土です。 |
![]() |
素焼きのように思っていました。どんな粘土ですか。 |
| 明星 石からできた粘土、木からできた粘土、土からできた粘土の三種類を使い、着色はほとんどしていません。自然乾燥なので窯も、もちろんいりません。それと粘土のいいところは割れても直せるというところです。先日の平群町内のギャラリーで個展をさせていただいた時に、以前の私の作品を持ってこられた方がいらしたのですが、その場で直して差し上げました。 | |
| その場でですか? | |
| 明星 はい。ちょっと割れて、とれていただけだったので、持っていた粘土で直しました。ただ10年位経つと、粘土がとても良い風合いを出すのです。だから新しい粘土との色合いが合わなくなりますから、修理は出来なくなります。 |
| 平面にもこだわる |
| 今後はどのような作品を考えていらっしゃいますか。 | ![]() |
| 明星 実は、また平面に興味がわいてきて、仏画を描いていきたいと思っています。ほんわかするような感じで、明るく楽しい『仏画の会』大和十三仏墨彩画と称して、2006年までの教室計画をたてました。 | |
| 創造の世界はひとつのことに留まらず、考えたり、興味がわいてくると、どんどん奥深いものになっていきますよね。明星さんが教えていらっしゃる生徒さんたちも、好きでやりたいと入ってくるタイプと、なんとなく入ったけど、やりだしたらどんどん好きになってきたタイプがあると思います。教えることで刺激もあるのではないですか。 |
| 明星 本当に。人に教えることが自分の為にもなっています。生徒さんがどんどん力をつけてきて置いてきぼりにされそうです(笑)。実はギャラリー関係の方から「あまり教えないでほしい」と最初の頃言われた事があります。 |
| 技術を教えることが、オリジナルの値打ちを下げるということですか。 |
| 明星 そうかもしれません。しかし私はやれる限り教えていきたいと思っています。先程、刺激があるとおっしゃっていましたが、本当に教えることで新しい発見も多いのです。 |
| 流木や石と粘土とのコラボレーション作品も生み出す明星さん。毎月工房や平群町のパナクティ教室で1日教室を開催し、オリジナルの技術をおしみなく生徒達に伝授する。今後もユニークな表情のゆかいな動物達を続々と誕生させ、創作の意欲はますますふくらみ続けるようです。 |
| 人物じゅずつなぎindex |