VOL.27

信貴山『寅の市』実行委員会会長
谷口 建次 さん
生まれ育った所だから
自分たちの力でなんとかしたい!

 信貴山は聖徳太子のロマンが残る由緒正しき山、そして信貴山朝護孫子寺は毘沙門天王を祀るお寺、 寅の寺として全国にも知られる所である。その参道で2年前から信貴山『寅の市』がはじまった。毎月第3日曜日に開催される その市に、熱く思いを注ぐ人たちがいる。実行委員会会長である谷口さんもそのひとり。門前町に育った谷口さんは今、 華やかだった頃の街の息吹きを取り戻そうと、日々考察中という。信貴山『寅の市』についてお話をうかがった。

〈聞き手〉編集長 上田さとる


 
 地元の人たちが結束して実現!
2年前のちょうど10月に信貴山『寅の市』第1回が開催されたのですね、街の人たちの反応はいかがでしたか。
谷口  この実行委員会の母体は信貴山観光協会ですから、当初、地元の反応がどうか不安もありましたが、 第1回が終了して、皆さん、良かったと喜んでくださいました。参道のお店の方たちの協力もですが、自治会の方々の協力理解があったので、 今も続けて来られてきているわけです。
門前町として随分、賑わいがあった所と聞いていますが、谷口さんの記憶で、 いつぐらいが最盛期でしたか。
 華やいでいた時代
谷口  30年くらい前でしょうか、賑わいが凄かったことを覚えています。芸子さんもいて、毎晩、 料理旅館から太鼓や、三味線の音が聴こえてきていました。戦前は大阪側にケーブルもあり、御茶屋さんや、食べ物屋さん、土産物屋さんが並んでいて、参道を行き交う人たちも多かったのです。泊りがけで朝護孫子寺にたのです。
お伊勢参りのように、昔はお参りを目的として、実は観光旅行を楽しんだわけですが、 信貴山という所も、朝護孫子寺にお参りして門前町で一泊し、旅行の醍醐味とも言える、普段はめったに味わえない料理や芸を楽しんだというわけですね。
谷口  そうですね。しかし最近は自家用車で山に上がって来られて、1時間ほどで帰ってしまわれるような感じです。 寅の年は年間100万人の参拝者数ですが、それ以外の年は半分です。ですから、12年に1度ではなく、普段の日にも信貴山に上がって来てもらえるような、朝護孫子寺にお参りに来て頂いて、 ついでに楽しんでもらえるような企画を考える必要があったのです。
 出店場所指定があるほどの定着ぶり
それで、『寅の市』ということになったのですね。しかし、その発想はどこからですか
谷口  地元の料理旅館のご主人が旅館の駐車場でフリーマーケットをしようかと思っているというところからです。それなら街全体でやってはどうか ということになり、お寺の方でも実施することに賛成してくださったので実現に達したわけです。実施する前には京都の東寺や、大阪の四天王寺さんに『市』を見学にも行きました。
 寅の市には何店くらいが出店されていますか?
谷口  常時60店くらいです。多い時で100店のときもありました。参道の大門池にかかる開運橋から南西には 一般参加のフリーマーケットを、橋から北東には骨董品屋さんたちという位置付けで毎回開催しています。出店者の常連さんも多くなってきて、場所指定などもあります。 毎回買いに来てくださる方にわかるようにということも考慮してのことです。
しかし「続ける」ということは難しいことではないですか。常連さんができるほど定着してきているということは嬉しいこと であり、次々とひきつける何かを用意しなければいけないというところでもあると思いますが…。
たくさんの方に足を踏み入れてもらいたい
谷口  そうです、おっしゃるように定着は、がんばってきた結果でもありますが、どんなことでもマンネリ化になってしまう と魅力がなくなってきますから、次のスパイスを、まだまだ考えています。
ラジオや、広告なども使っての、いろんな方面での告知作戦も展開されていますね。
谷口  『寅の市』への出店参加料等の収益金はほとんど、広告費で費やしています。とにかくもっと広く信貴山を知ってもらって、 朝護孫子寺にお参りしてもらって、この山、街にたくさんの方に足を踏み入れてもらうことが一番の目的です。地元の活性化は人です。地元の人、そして訪れてくれる人がいるからこそ、街は活気づくものです。
街があって人が在る。人が生きて街が活きるのですね。地元の人たちのがんばりが、町を活気づけるものだと私も思います。
谷口  自分たちが生活する所ですから、自分たちの力でなんとかしたい!そう強く思うからこそ地元は良くなっていくのだと思います。 人が集まったらどんなことでも動かせるはずですから。
※11月17日(日)信貴山『寅の市』開催!!(9時〜17時)
お問い合せは下記まで。
信貴山朝護孫子寺本坊(9時〜16時)。
TEL. 0745−72−2277

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