VOL.20

アマチュアランナー 巳波 美津子さん
ゴールには 何かがある!
―視覚障害者の
伴走を務める

 “走る”ことを再開したのは40歳の時。その後、数々の国際マラソンに参加。視覚障害者の相棒としても伴走をしてきた巳波美津子さんは斑鳩町三井在住。モンゴルなど、大自然な中行われる100kmマラソンなどにも単身参加経験を持つ。まだまだ行ってみたい大会は、世界にいっぱいあるとキラキラと眼を輝かせながら巳波さんは語った。

〈聞き手〉編集長 上田さとる


“走る”ことがなにより好き!
数々の国際大会に参加されてきたということですが、学生時代からずっと続けてきていらっしゃるのですか。
巳波 学生時代に、部活は陸上部でしたが、卒業とともにスポーツとして走ることはなかったんです。それが40歳の時、ちょうどマラソンが国際大会や、オリンピックで注目されはじめたころで、走ることが好きだった私は、自分で何かを始めようとした時に自然と流れが、“走る”方向にいったんですね。
マラソンというと、なぜか、 “しんどいこと”のような気がして、楽しいものなのか?と一般的に思われがちですが、巳波さんにとって“走る”とはどのようなものですか。
巳波 幸せを感じることのできる時間ですね。とっても贅沢な時間。見ている人には苦しそうに見えるかもしれませんが、マラソンでゴールした時のあの満足感は、走った人間にしか解らないものです。ゴールには人それぞれに何かがあるんです。実際、普段に家の近くをトレーニングで走っている時でも、家族の理解があってこその幸せや、そういう時間をつくれた幸せ、鳥の声や、自然の移り変わりを独り占めできる幸せなど、贅沢な時間を取れる幸せを感じるのです。仲間の男性で、走った後のビールがおいしいから、 “走る”という人もいますよ(笑)。
様々なものに感謝する気持ちが、そういう幸せな気持ちにさせるのでしょうね。もしかしたら他の場面 であっても、人間は幸せに感謝できるものなのかもしれません。
 無理をせずに自然体で
視覚障害者の女性の伴走もされていますね。
巳波 はい。私がサポートする彼女と出会ってもう6年ほどになりますね。その間、いろんな問題にも直面 しましたが、今はお互いに無理をせず、彼女が走りたい時に練習に付き合っています。『走って!』と彼女が言った時に『よっしゃ!』という感じのスタンスで。彼女は視覚障害者ランナーの世界記録保持者なんですよ。その記録の大会の時は、じっくりトレーニングに付き合って、本番は仲間の男性に伴走をお願いしました。
いろんな問題というのはどのようなことですか。
巳波 視覚障害者の方の伴走には記録タイムに、その人と30分以上の差を必要とされるので私自身の記録もキープしていかないといけないし、普段の練習においての、お互いのぶつかり合いもありますが、なによりも走る大会が限られてしまっていることが残念ですね。主催者側が、事故があってはいけないと、参加を認めないところが多いのです。それと、トレーニングする場所にも困ります。車や、道のボコボコ、ハンディはやはり大きいです。
 フィールドは世界?!
巳波さんご自身も記録をお持ちだと聞いていますが。
巳波 おととしのホノルルマラソンの50歳以上で優勝しました。3時間30分位 だったかな。国際大会では40歳以上のクラスでは何度かいい成績を残せています。

ベストタイムは?

巳波 最高タイムは3時間4分ですね。
最近走って楽しかったというか、印象に残った大会はどこですか?
巳波 モンゴルですね。
 ランナーというより冒険家?!
えっ?!モンゴルですか?
巳波 そうモンゴルです。100kmマラソン!楽しかったですよ。何にもないところ、草原で、地図一枚渡されるだけなんです。こんなの…。(実際使用された地図を拝見)。
これは地図というより、子ども向けの絵地図のようですね。
巳波 本当にそう。目印が何もないところなんです。20kmごとにチェックポイントはありましたけれどね(笑)。でもおもしろかったですよ。
ランナーというより冒険家のようですね。今後挑戦したいと思っていらっしゃる大会はありますか。
巳波 家族には反対されていますが…、サハラ砂漠で行われる大会にはぜひ一度行ってみたいです。マラソンというより、4〜5日かけて走って横断するのですが、気候的にもハードですね。
なぜ走りますか?
巳波 達成感であり、爽快感であり、なによりも人とのふれあいが楽しいからかな?!視覚障害者の方の伴走も務めようと思ったのも、自分の感動を、彼女たちにも味わってほしかったし、他人の間に合いたかったからかな。まだまだ、ばんばんがんばっていきます!!
地元でも、何か役にたてることがあれば活動していきたいと巳波さんの挑戦は続く…。期待しています!

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