VOL.19

奈良産業大学経営学部 教授 岡本 昇さん
実路に役立つ教育を
 自然の中に立てられた大学の学舎の一角にある岡本さんの研究室を訪ね、お話しを伺ったのはちょうど講義が終わった午後のこと。学生たちがキャンパスを後に駅への坂を足早で下っていった。岡本さんは斑鳩町在住。今年4月に情報学部が新設され、経営学部、経済学部、法学部と4つの学部をもつ奈良産業大学(生駒郡三郷町立野北3-12-1)の経営学部教授として活躍されている。

〈聞き手〉編集長 上田さとる


 自己責任のもとに過ごす大学生活
この大学に来られる前は大阪府の公立高校の校長をされていたとうかがいましたが、高校教育と、大学教育はどう違いますか。
岡本 高校教育は、まだまだ学校の責任管理下において行われてると思います。時間割も決められた通 りですし、朝礼などもあります。その点、大学は自分で時間割を組み、連絡事も掲示板で、すべて自己責任のもとに行われています。教育は知識の受容的暗記よりも、諸問題に対する自主的思考力の養成に重点を置いています。
高校進学の時より、大学進学を考える時の方が、より自分の将来を考えて決定していますからね、大学側は学生から選ばれる大学をいつも緊張感を持って意識しておかなければなりませんね。
岡本 そうです。おかげさまで本学は就職率が毎年良く、ちゃんと育てて社会へと送り出す体制でいますから、その点は今のところクリアしていると思います。
 ハングリー精神をもって努力とチャレンジ
今の大学生たちに求められていることは何かありますか。
岡本 いろんなことに興味を持って、意欲を持って、やりたいことをしっかり見つけてチャレンジすること。実践に結びつけるための努力がもっと必要かもしれません。私の時代と比べてはいけないかも知れませんが、自分自身ハングリーな時代に生まれていますのでそう感じるのでしょうか。
お生まれは斑鳩ですか。
岡本 山口県出身です。瀬戸内海の小さな島で、8人兄弟の真ん中です。母は健在で、102歳になります。教員になって職場は大阪で、38年間斑鳩を留守ばかりしていましたので、地域への恩返しのつもりで、この大学にお世話になることにしました。この大学は地元の方々の協力のもとに実現した大学ですから、社会に出て現実に役立つ人間形成が教育内容の中にも意識されています。
 ボランティアの精神も大切!
専門のご研究はどのようなものですか。
岡本 大学では英語を教えていますが、専門は18・19世紀の英文学及び、比較文化で、特にジェイン・オースティンを研究しています。
岡本さんは斑鳩町でSGGの会長もされていますね。
岡本 SGG自体は全国的な組織ですが、斑鳩町に来られる外国人の方々のガイドをボランティアで行う『斑鳩アイセスSGG』の会長です。現在64人の登録者がいて、iセンター等でガイド等の申し込みを受けています。
 地域の為に出来ることから
世界的な遺産が残る地域ですので、海外からの観光客も多く、岡本さんたちの活動は地域にとっても財産ですね。ボランティア精神は若い世代にも引き継がれていますか。
岡本 核家族が増え、少子化も伴って、昔の「何か食べさせてくれ!」の時代から、何でも与えられる飽食の時代になっています。また自己中心主義の目立つ時代ともなっています。そんな中で、他人の為に何かをしないといけないという気持ちが近年、若い世代に芽生えてきているのです。ある意味、余裕のある生活がベースにあるからこそのことでしょう。しかし、ボランティアへの意識はとても良い事です。この大学にもボランティア関係のクラブがあり、活発に活動しています。私も地域の為に、自分の出来ることを考えて様々な活動をがんばっていきます。

Vol.18へ
人物じゅずつなぎindex

Vol.20へ