VOL.10

斑鳩文化協議会 会長 亀井 龍彦 さん
まちづくりは
心の文化を育てる
ことから
 平成10年9月末、『斑鳩町政50周年記念特輯 聖徳太子から一四〇〇年 斑鳩の生活史』を斑鳩文化協議会が発刊した。発案から2年後の事だ。会長である亀井龍彦さん自ら350人以上の町民から直接取材し、斑鳩の歴史や生活史をまとめ、日本のみならず世界の中での斑鳩地域に焦点をあてた。 21世紀にむけてのまちづくりについて熱く語っていただいた。

〈聞き手〉編集長 上田さとる


“米”の相場が時代のバロメーター
昨年発刊された『斑鳩町政50周年記念特輯 聖徳太子から一四〇〇年 斑鳩の生活史』読ませていただきました。古代からの斑鳩の歴史や、各自治会それぞれの「その歴史と生活」など、興味深い斑鳩が記されていました。各自治会の取材など大変ではありませんでしたか。
亀井 斑鳩町内には100以上の自治会があり、取材日数があまりなく実に苦心しました。しかし、350人以上の方々に会うチャンスを得、様々なお話をうかがうことができ、今まで知らなかった地元の歴史を学ぶことが出来ました。
それぞれの時代の米の相場なども編集されていたのが、おもしろいですね。
亀井 米の相場がその時代のバロメーターです。一俵あたりいくらだったか、明治以後の記録ですが、その時の経済状態を物語っています。
 まちづくりで求めることは“意識”
どの時代も町民の『くらし』が経済の支えということですね。私も日頃から『暮らしに密着した生活感のあるものが“まちづくりや”』と考えています。亀井さんがまちづくりに参画されるきっかけはどのようなことからですか。
亀井 大阪で広告代理店を経営していたため地元のことについては何もできなかった私ですが、地元にボランティアで貢献したいと考え、法隆寺が世界文化遺産に登録された平成5年をきっかけに、1年間準備期間を経て平成6年、斑鳩文化協議会を発足したのです。現在、会員は約50人です。
ところで、今、亀井さんがまちづくりで求めることはどんなことですか。
亀井 町民の意識がまちづくりを発展させます。『手を出し、頭を出し』しないといけないという意識です。 21世紀に向かって生活文化を育てなければ…
参加して、まちづくりへのいろんな意見やアイデアを出して、みんなで地域文化、生活文化を高めようという意識ですね。
亀井 そうです。21世紀に向かって生活のなかでの文化を育てなければいけないと思います。我々の地域には法隆寺という世界的な大きな宝があるのに、はたして地元に住んでいる人たちは宝として意識しているでしょうか?
奈良県内いたるところに名所旧跡が点在しており、意識的には他府県に比べてみると、宝であって、生活風景の一部になっていることは確かです。
亀井 ですが、その宝への意識やまちづくりを地元だけで考える時代はもう過ぎました。もっとまわりの地域との提携体制をつくっていくべきです。
そうですね。今まで、まちづくりといえば、地元レベルの範囲でしたが、例えば生駒郡地域でなら、聖徳太子でひとつにゾーン化できます。生駒郡だけでなく、大和郡山市や大阪府にまで、行政との協力体制も整えて、広い範囲でのまちづくりも可能です。歴史文化の保存と、生活文化の創造をめざしてこれからもご活躍を期待しております。

Vol.9へ
人物じゅずつなぎindex

Vol.11へ